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​番外編

​壱.冥界、彼岸霊園にて

炉梦「よう。」

影近「・・・あぁ、お久しぶりです。今日はいい天気ですね。」

炉梦「おい、おまえ今一瞬 俺のことわからなかったろ!?」

影近「え・・?そんなことないですよ。炉梦さんでしょう?

   それより、情報屋の貴方が僕に何のご用ですか?」

炉梦「あぁ、上から言われて来たんだよ。辞令だ、辞令。」

影近「そうですか・・とうとう飛ばされてしまうんですね・・お疲れ様です炉梦さん。」

炉梦「ちっげーよ!お前にだよ、影近!
   だいたいなんで俺がわざわざ自分の辞令を伝えにお前のところに来なきゃいけねえんだよ!

   アホか!」

影近「それもそうですね。もしそうなら、炉梦さんは僕のことが大好きなんですね。」

炉梦「おい!だからなんでそうなる!!・・・ったく、・・・日本だよ。お前の次の勤務先。」



影近「イギリスの次は日本ですか。きっと次は中国ですね。」

炉梦「ざけんなばーか。てか、驚かねーのかよ。」

影近「そうですね…いつかは訪れると思っていたことですから。」

炉梦「ああ、そーかよ。
   しかし、なんでこのタイミングなんだろうな。梵妖の考えることは全く理解できねえ。」

影近「まあまあ、これも何かの縁なんでしょう。そんなに心配なさらずとも、僕は大丈夫ですよ。」

炉梦「はあ!?ばっかじゃねえの?誰がお前の心配なんか…!!」

影近「ふふ…ありがとうございます。炉梦さんはまだこちらに?」

炉梦「んや、俺は情報屋だからな。境界線なんて関係ねえよ。」

影近「そうですか…それじゃあまたお会い出来ますね。」

炉梦「はっ!お前のことは灯屋に頼まれてっからな。嫌でもまた面合わせることになるだろうよ。」

影近「頼りにしてますよ。」

炉梦「…早く行けよ。今から飛ぶんだろ?間に合うのか?」

影近「ええ、情報屋さんの仕事が早いおかげで。」

炉梦「当たり前だ。遅刻すんなよ?どやされんの俺なんだからな。」

影近「善処します。」

炉梦「善処じゃダメだっつの!」

影近「それでは、失礼します。」

 

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