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​双子の神

​参.謎の祓い屋

 

?「こんにちは、氏神様」

風鈴「祓い屋風情が何をしに来た?」

?「僕のことをご存知でしたか…光栄です。
  どうかそんなに怖い顔をしないでください。」

風鈴「大福には感謝する…だが、僕たちはここを離れる気はない!
   今すぐここから立ち去れ!涼音が気付く前に!はやく!」

?「美味しかったですか?白里堂(はくりどう)という
  僕のお気に入りのおまんじゅう屋さんでして、うちの神社の妖かしたちも…」

風鈴「黙れ!立ち去れと言っているのが聞こえないのか?…ならば!」

?「おやめください。あなたの力ではもう人の形を保つのもやっとのはず…」

風鈴「うるさい!僕はこの町を…涼音を守るんだ!」



僕は、最期の力を振り絞って本来の姿に变化した。

身体が重い…腕も、脚も千切れそうなほど痛む…

だけど、僕はここで祓われるわけにはいかない。

 

涼音を…大好きなこの町を…守るんだ。


着物の男が、ゆるく結わえられた髪を揺らしながら僕の前に立ち、じっと見つめている。

出来れば、半妖といえど殺めたくはなかったが…
大きく息を吐き、次の瞬間男の喉元目掛けて牙を剥き襲いかかった。


 

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